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第2回 仙台発動分子科学セミナー

日時:2018年12月26日(水)13:30 -

場所:東北大学青葉山キャンパス
電気情報システム応物系 1号館 2階 中会議室
https://www.eng.tohoku.ac.jp/map/?menu=campus&area=d&build=10

講師:泉田 勇輝 先生(名古屋大学大学院情報科学研究科)

タイトル:低温度差スターリングエンジンの非線形力学解析

要旨:
低温度差スターリングエンジンは我々の身の回りの低温度の熱源間のわずかな温度差を利用して動くエンジンであり[1], 実用上も基礎物理学の観点からも非常に興味深い熱エネルギー技術である.
本セミナーでは低温度差スターリングエンジンの回転運動が温度差によってどのように維持され, また失われるのか, そのメカニズムを非線形ダイナミクスの観点から考察した研究[2]について紹介する.
本研究では, 機械力学・熱力学・非線形ダイナミクスのアイデアを組み合わせ, エンジンを「温度差に駆動された非線形振り子」としてモデリングした. 得られた運動方程式は, 回転運動を表すリミットサイクルと静止状態を表す固定点を安定解としてもつ. 温度差を分岐パラメータとしたとき, リミットサイクルは分岐点でホモクリニック分岐によって消失することを示す. これが, 温度差が小さくなりすぎるとエンジンの回転運動が失われるメカニズムであると考えられる.
時間が許せば, モデルの拡張や実験的検証の可能性などについても議論したい.

[1] J. R. Senft, An Introduction to Low Temperature Differential Stirling Engines, 4th ed. (Moriya Press, Wisconsin, 2000).
[2] Y. Izumida, EPL 121, 50004 (2018).
 





International workshop
"An Update on Molecular Motors: Open Challenges and New Perspectives"

2018.10.20-21 @ Tohoku U.







「細胞を創る」研究会 11.0
2018年10月18日 - 19日 @ 東北大学サイエンスキャンパスホール








第1回 仙台発動分子科学セミナー

日時:10月17日(水)14:30 - 16:00

場所:東北大学青葉山キャンパス
電気情報システム応物系 1号館 2階 中会議室
https://www.eng.tohoku.ac.jp/map/?menu=campus&area=d&build=10

講師:前多 裕介 先生(九州大学理学研究院物理学部門)

タイトル:To go or not to go: 波打つアクトミオシンゲルと細胞内配置の二相性

要旨:
 細胞は自律的に変形し、動く。力学的な視点で細胞を眺めてみると、3つの特徴が浮かび上がる。まず、細胞質には細胞骨格やオルガネラがあり、バネのような弾性を示す。さらに、分子モーターやクロスリンカーを介した骨格構造の再編成からドロドロとした蜂蜜のような粘性が生まれ、弾性と粘性が共存する流体(粘弾性流体)となる。そして、この流体は脂質膜の微小区画に内包されている。すると細胞は「小さな区画に囲まれた粘弾性流体」というモデルに帰着する。これらの要件を満たす人工細胞を創出することから、細胞機能と分子を結ぶ物理的原理を明らかにできると期待できる。本セミナーでは、分子モーターと細胞骨格を内包する人工細胞の対称性と力学に関する研究を紹介する。

アクチンとミオシンモーターを含むXenopus egg 抽出液を油中液滴に封入し、細胞サイズの区画を設けた人工細胞モデルを構築した。観察開始から数分後、アクトミオシンネットワークの収縮によって細胞小器官が凝集したクラスターが形成される。このクラスターが位置する場所は、人工細胞の中心点もしくは境界近傍かの二相に分かれていた。アクチン骨格の動態を蛍光顕微鏡で観察したところ、境界から中心に向かってリング状のアクチンゲルの収縮が起こり、クラスターを中心に移動させる内向きの力が発生していた。一方で、境界のアクチンコルテックスと内部のクラスターの間がアクチン繊維で結ばれることで、クラスターを境界に運ぶ外向きの力が出現する。とりわけ、細胞内空間のサイズと細胞骨格の特徴的サイズの比が外向きの力の発生を誘起する転移現象に重要であり、2つの収縮作用の競合が対称性を破るメカニズムであることを明らかにした。

細胞の核の配置は中心体によって決定されるが、中心体を持たない細胞(マウスの受精卵等)ではアクチンとミオシンが核の配置を中心に定める役割を担うことが知られている。本研究で得た知見は、細胞内の幾何学対称性を決定する力学機構の理解に寄与することが期待される。本研究は、京都大学白眉センター 宮﨑牧人准教授のグループとの共同研究である。


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