1つの強磁性トンネル接合素子を1ビット情報とし (磁化平行状態を情報の”0″、反平行状態を”1″として扱う) 、集積化したものが磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)です。情報の書き換えは、ワード線、ビット線という二本の配線に電流を流し、誘起される磁場で行ないます。
最近の研究では、素子に流す電流によってスピンの向きを変えるスピン注入磁化反転型や、磁壁の位置を制御することにより情報を記憶する磁壁移動型などが提案されています。
MRAMはDRAM等の半導体メモリと異なり、電源を切っても情報が消えない『不揮発性』という特長を持っています。従って、メモリの大幅な『低消費電力』化が可能です。さらに、MRAMは『大容量・高速』化が可能であるため、既存のメモリをすべて置き換えるユニバーサルメモリとしての期待が持たれています。
