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宮ア 照宜
(1967年卒、2007年退職)

 応用物理学科の同窓会は1978年10月に発足した。学科がスタートしたのが1963年、最初の学生が卒業したのが1967年であるから非常に早い時期に同窓会が発足したことになる。当時、なぜこのように早い時期に同窓会を発足させなければならなかったのか当時は全く考えてもみなかったが、その後時間がたつにつれて、特に大学を退職してからその感が強くなった。学科が発足して60年が経った今、発足当時の経緯を残しておくことも意味があると思い、その背景を含め、当時を振り返ってみることにする。はじめにお断りしておくが、なにしろ半世紀近くも前のことなので、若干不正確なこともあるかもしれない。
 1978年10月に学科の15周年記念事業が行われ、それを機に同窓会が発足したわけであるが、当時の学科の様子を若干思い出してみる。学科は片平のぼろ校舎(旧国立仙台高等工業専門学校の2階建て建物)から出発し、4年後の1967年3月に青葉山に完成した通称電気系の建物に移転した。なぜ電気系と一緒になったのか正確なところは分からないが、併任の教授が電気系が最も多かったためと考えられる。この年までに応物専任の6講座がうまり、学科としての体裁をほぼなしたと思われる。しかしながら電気系と応物とが同じ建物で教育・研究をすることになったものの、両者の教授の考えにはかなりのギャップがあるのではないかと学生ながら感じていた。そして電気系に情報学科が新設されるのを機に応用物理学科は工学部のグランドの西側の新しい建物に移ることになった(1978年3月)。詳しい経緯は省略するが、高橋教授をはじめとする当時の応物教授はこの移転を喜んで積極的に進めていたように私にはみえた。さらにこの年から学科単独での学生募集が始まり、応用物理学科の独立性を感じるとともに、教官、特に教授の俺たちは・・・という意気込みを感じた。
 独立棟で学科が新たにスタートしたこともあり、創立から15周年ということで、記念行事を行うことになったと思われる。併せていつ同窓会の設立をということになったかは定かでないが、私が同窓会設立の話を聞いたのは高橋教授から「同窓会を創るように・・・」、「理学部物理には自修会というのがあり・・・」と言われたのがはじめてである。しかし「・・・」の部分が何であったか記憶がない。ともかく同窓会を設立しなくてはということで、同窓会長を決めて15周年記念式典の際に挨拶をしてもらわなければならないだろうと思い、当時の教授陣に受けの良い三浦義正さんに会長(1978−1988)をお願いすることにした。彼は応物の教官としての経験もあるので無難だという気持ちも働いた。その後宮原さん(1988−1993)、大森さん(1993−2003)、越村さん(2003−2013)に私が勝手にお願いしたと思う。いずれも30から40代の現役バリバリで同窓会どころではなかったはずだが、今思えば良く引き受けてくれたと感謝している。
 在職中は学科の同窓会を何とか維持するのがやっとで、細かな点について気が回らなかった。退職後、なぜ応用物理の同窓会が、同窓生の間からの要望でなく、上(教授)から言われて発足することになったのか疑問が生じ、最近(2023年)になり理学部物理の同窓会を調べた。その結果、前述した自修会は当時機能しておらず、理学部物理の教官の間で、同窓会組織の必要性が議論されていたことが判った(詳細は理学部物理系同窓会 泉萩会のWebを参照ください)。物理系の同窓会は泉萩会の名で応物同窓会設立から6年後の1984年11月に発足している。この立ち上げに当時応物の教授であった堀江氏も参加したと記されている。以下私の想像であるが、物理出身で同期でもある高橋、堀江両教授が出身母体の経験から、15周年記念を機に応用物理学科の同窓会を発足させようと考えたとも思われる。
 一方で15周年事業を準備するにあたっての教授間のやりとりを近くで見ていた私は、15年と言うはんぱな年に記念行事を行うにはその名目が弱く、同窓会の発足をその理由の一つに加えたのではと邪推したこともあった。しかし今となってはその真相は全く分からない。実際のところ同窓生が必要性を感じてできた同窓会ではないが、設立の経緯をあれこれ詮索することはあまり意味がないように最近思われてきた。考えてみれば応用物理学科自体、最初の教授らが集まってその必要性を議論し創られたものではなく、他のところでその必要性が議論され生まれたものである(興味ある方は応用物理学科40と50周年記念誌の第一章応用物理学科及び応用物理学専攻の創設と発展を参照してください)。重要なことは学科の構成に最初に関わった人達が、今日の学科の礎を創ったのである。うまく発展したかどうかは、引き継いだ人達の判断による。同窓会もある意味学科の歴史と同様であり、将来の人達が良し悪しを判断するわけである。将来、同窓生が感嘆する様な同窓会となることを期待する。


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