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東北大学応用物理学専攻安藤研究室

おうぶつニュースレターSELECTION

東北大学応用物理学コース・応用物理学専攻で発行している、ニュースレター「おうぶつ」より、研究室に関わる情報を抜粋して紹介します。過去のニュースレター「おうぶつ」は、こちらからダウンロード可能です。


イノベーションの原点 (平成14年修士修了 林 将光 おうぶつ第4号より)

 応用物理学専攻の修士課程を修了してから8年になります。先日久しぶりに仙台を訪れましたが、大学や街の風景をみて、学生の時のことを思い出しました。振り返ってみると、学部・大学院に在籍している時というのは自由に使える時間が一番多く、できるならその頃に戻りたいと思われる卒業生の方々は少なくないと思います。

 私は当時の宮ア研究室(今の安藤研究室)で修士課程を修了して、外国の大学院に進学して、平成19年に博士の学位を取得しました。当時は、修士から博士課程にそのまま進学するつもりでしたが、たまたま応募した外国の大学院から合格通知が届いたので、進学先を変更しました。修士課程修了時点で、企業への就職も考えましたが、どの企業に入って自分が何をやりたいのかがはっきり見えなかったので、進学を選びました。進路選択の方法が消去法のようにも見えますが、自分の直感を信じて決めた結論であり、今も良かったと思っています。

 今は、茨城県つくば市にある独立行政法人の物質・材料研究機構(旧国立研究所)で働いています。独立行政法人なので、研究の内容は、大学で行われる基礎研究と、企業が行っている開発研究との間に位置するものが多いように思います。

 就職してからは毎日、社会に還元できる研究をするようにと言われています。よく「イノベーション」という言葉が使われますが、新しい技術や材料の開発は、大学、企業を問わず、どこにいても要求されるのではないでしょうか。まだ、学位を取ってから数年しか経たない自分が申し上げるのも大変恐縮ですが、新しい技術や材料の開発も、結局のところは学生時代に学んだこと、教科書に書いてあることが原点になっているように思います。物事の本質を深く、一から理解することによって初めて、その先にある新しい現象やデバイスを創製することができるような気がします。極端な例ですが、授業で習ったことを応用して検索エンジンを開発し、会社を立ち上げて億万長者になった人が世の中にいるのも事実です。

 そういう意味で、学生時代に得た知識は、その後の自分の財産になるかと思います。様々な物理現象や材料に触れて、多くの知識を吸収できるのは学生の時しかないように思います。応用物理学専攻にはそれを支えてくれる先生方と、素晴らしい研究環境が整っています。チャンスがあれば、ぜひ多くの方々に応用物理学専攻の博士課程に進学して頂き、多くを学んで将来御活躍されることを心から期待しております。


東北大学大学院応用物理学専攻
安藤研究室

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