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東北大学応用物理学専攻安藤研究室

おうぶつニュースレターSELECTION

東北大学応用物理学コース・応用物理学専攻で発行している、ニュースレター「おうぶつ」より、研究室に関わる情報を抜粋して紹介します。過去のニュースレター「おうぶつ」は、こちらからダウンロード可能です。


社会人博士コースを経験して (平成23年博士修了 小野 拓也 おうぶつ第7号より)

 富士電機(株)より、安藤研究室との共同研究の一環で、社会人博士課程に入学する機会をいただき、この春、博士号を取得することができました。弊社では磁気記録媒体(ハードディスク)の次を担う技術として、スピントロニクスに着目し、調査・検討を行っております。安藤研究室の研究レベルは非常に高く、実験装置も最先端のものを使うことができ、有意義な3年間を過ごすことができました。また、ほかの研究機関とのつながりを得ることができたのも、社会人博士課程に入れていただいた賜物であると感謝しております。

 弊社に限らず、大学との共同研究を通して、社員に社会人博士号取得を奨励する会社は多いと思います。特に応用物理学専攻卒業生が多く就職するであろう電子デバイス関係ではその傾向が高いと思います。そのため、応用物理学専攻は、社会人博士への理解が高いように思われ、その点でも感謝しております。

 社会での博士号の扱いですが、普段の生活で意識することはありません。博士号というのは、専門性よりもむしろ、自分で研究開発計画を立案できるという称号だと捉えられますが、会社でも立場が上がれば、同様の能力が求められますので、就職するから博士号が必要ないとはなりませんし、博士だから、特別扱いされるわけでもありません。ただ、博士号を持っていると最初の配属先が研究開発部門になりやすいという面はあるかと思います。研究開発部門と量産部門との距離も、製品分野によって異なりますので(電子デバイスは遠い、電気・機械は比較的近いetc.)、修士の皆さんは、それも踏まえたうえで進学・就職のいずれかを選ばれるのがよいかと思います。

 社会人で博士号を取得したときの変化は、むしろ社外との関わりにあるかと思います。国際学会で海外の研究者と話した時に、修士卒だというと「お前はresearcher(研究者)かengineer(技術者)か」と聞かれたことがあります。このように、海外では、博士と修士の区別がはっきりしています(技術者を下に見ているわけではありません、念のため)。また、会社によっては共同研究先への派遣者を博士に限っているところもあるようです。

 末筆になりますが、お世話になりました先生方、そのほかの皆さまに改めて感謝いたします。


東北大学大学院応用物理学専攻
安藤研究室

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