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東北大学応用物理学専攻安藤研究室

おうぶつニュースレターSELECTION

東北大学応用物理学コース・応用物理学専攻で発行している、ニュースレター「おうぶつ」より、研究室に関わる情報を抜粋して紹介します。過去のニュースレター「おうぶつ」は、こちらからダウンロード可能です。

平成27年度就職状況 (平成27年度就職担当 佐々木 一夫 おうぶつ第22号より)

 就職担当の役を初めて務めました。会社に勤めた経験がないということもあり、最初の頃は企業の方が訪問されるときには、かなり緊張したものです。しかし、回を重ねるにつれて次第に要領がわかってくると、もう何年も就職担当をしているような顔をして会社の方に接することができるようになりました。
 平成27年度は168社からの求人があり、そのうち推薦依頼があったのは123社です。また、49社の方の訪問を受けました。これらの数字はいずれも前年度を若干上回るものです。採用人数を増やしたという会社も多く、学生にとって状況が上向いているという印象を受けました。
 平成27年度卒業生・修了生に対しては、経団連加盟企業の採用選考開始時期が従来の4月から8月に変更され、企業にも学生にも、そして就職担当者にもかなりの戸惑いが生じました。実際には、他社の動向を探りながら、8月より前に交流会などの名目で、実質的な選考活動を始めた企業がほとんどでした。会社によって動き出す時期がまちまちであったため、学校推薦を出す時期を設定するのに苦労しました。就職内定を得た卒業生・修了生の中で、学校推薦を使った学生は24名であり、全体の6割強になります。そのうち、推薦応募で採用されたのは15名、残りは自由応募に切り換えての合格です。さらに、1回目の推薦で内定を得たのは11名ですから、2回目以降の推薦で採用された事例は意外に少なかったことがわかります。学校推薦を使わずに、最初から自由で活動して就職をしたのは14名(博士と学士の多くはこのタイプ)です。また、1月中旬に応物で行われた就職ガイダンス後の早い時期に活動を開始した学生は、遅めにスタートした学生に比べて、短期間で内々定を得るという傾向がありました。これは、就職に対する学生の意識の違いが結果に反映する、ということを意味しているのかもしれません。
 就職先に関しては、表からわかるように、電気関連が多く、全体的には様々な業種にわたっているという、従来からの特徴を示しています。また、結果的には電気関連の会社への就職が多くなったけれども、第一志望では金属・材料系のメーカーを選ぶ学生が多くいました。これと同様のことは、2年前のニュースレターで佐久間先生が指摘されていました。
 物理系出身の学生に対する企業の期待というものをじかに聞くことができたのは、私にとって大きな収穫でした。例を挙げると、機械や電気といった特定の分野の仕事では、それぞれ機械系、電気系出身者には太刀打ちできないとしても、複数の専門分野にまたがる事業では、物理系出身者のように、どの分野のことでも基礎的なことをある程度は理解できる人材が不可欠である。あるいは、物理系の人は基礎をしっかり身につけているので、開発現場等で有用である。とくに、物理系出身者が物事を本質的なところから捉える傾向を、「電気の人は電流が流れることを前提として発想するけれども、物理の人はなぜ電流が流れるのか、というところから考える」と表現した、ある企業の方の言葉が印象的です。工学研究科の中では多少異質な応用物理学専攻の存在意義を再確認した1年でもありました。社会に飛び立っていった応物出身のみなさんが活躍されることを願っています。


東北大学大学院応用物理学専攻
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