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東北大学応用物理学専攻安藤研究室

研究内容RESEARCH TOPICS

磁気抵抗効果

 磁気抵抗効果とは、試料に磁場を印加した時に(例えば磁石を近づけた時に)、試料の電気抵抗が変化する(電気の流れ易さが変わる)現象です。磁気抵抗効果(正確には異常磁気抵抗効果)が発現する原因は、アップスピンとダウンスピンで電子の運動(抵抗)が異なる為です。



トンネル磁気抵抗効果 (TMR効果)

 ここでは、磁気抵抗効果の一つで、安藤研究室でメインに研究しているトンネル磁気抵抗 (TMR) 効果について説明します。非常に薄い絶縁体の薄膜を2枚の強磁性体で挟んだ素子は強磁性トンネル接合 (TMR素子) と呼ばれます。トンネル接合では、量子トンネル効果によって電子が薄い絶縁体を透過 (トンネル) し、電流が流れます。
 強磁性トンネル接合では、アップスピンとダウンスピンで電子が絶縁体を透過する(トンネルする)確率が異なることにより、2枚の強磁性体の「磁化の向きが平行のときに電流が流れやすく」、「反平行のときに流れにくく」なる性質が現れます。この現象がTMR効果です。電流の流れやすさの変化率はトンネル磁気抵抗 (TMR) 比と呼ばれ、強磁性トンネル接合素子の最も重要な性能指数です。



トンネル磁気抵抗効果の発見とスピンエレクトロニクスの創生

 当研究室は、1994年に『世界で初めて室温で大きなトンネル磁気抵抗効果』を観測しました。この発見が契機となり、トンネル磁気抵抗素子をHDD用の磁気ヘッドや磁気メモリー(MRAM)に応用するための研究が急速に進展しました。この現象に代表されるように、電子の電荷とスピンの性質を最大限に利用して、新しい電子デバイスの創出を目指す分野がスピンエレクトロニクス (スピントロニクス) です。以下に2004年までのTMR比の推移をまとめたグラフを示します。

東北大学大学院応用物理学専攻
安藤研究室

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