※図1. 磁気カイラルメタ分子でのマグノンポラリトンの概念図。
外部磁場Hextの元で、磁性体での磁化m(t)の歳差運動とマイクロ波の磁場h(t)が結合し、マグノン
ポラリトンが生成される。
【用語解説】
注1. メタマテリアル
天然物質では困難な物性を実現することができる人工構造物質。マイクロ波領域での負屈折率メタマテリアル、メタマテリアル不可視化クローク(透明マント)などが有名。
注2. マグノンポラリトン
磁石は電子のスピンが揃った状態と考えられる。このスピンの波であるマグノンと呼ばれる準粒子が、マイクロ波などの光が結合した状態(ポラリトン)をマグノンポラリトンと呼ぶ。ポラリトンにはこの他にも、格子振動(フォノン)と結合したフォノンポラリトン、電子と正孔のペアである励起子と結合した、励起子ポラリトン、金属表面に局在化した自由電子の集団振動(表面プラズモン)と結合した表面プラズモンポラリトンなどがある。
注3. 方向非相反性
表から見た場合と裏から見た場合で、物質の屈折率が異なる現象。磁気光学(MO)効果による一般的な非相反性とは異なり、偏光に依存せず、光の進行方向に依存して透過係数や屈折率が異なる現象。表裏の決まったマジックミラーの実現に繋がる。
【論文情報】
○タイトル:Ultrastrongly coupled and directionally nonreciprocal magnon polaritons in magnetochiral metamolecules
○著者: Kentaro Mita, Takahiro Chiba, Toshiyuki Kodama, Tetsuya Ueda, Toshihiro Nakanishi, Kei Sawada, Satoshi Tomita*
*責任著者:東北大学高度教養教育・学生支援機構(兼務:大学院理学研究科 物理学専攻)
准教授 冨田知志
掲載誌: Physical Review Applied
DOI:10.1103/PhysRevApplied.23.L011004
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・東北大学HP:https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2025/02/press20250204-01-magnon.html
・応用物理学専攻X:https://x.com/ApplPhysTohoku/status/1886600439317307803